もくじ

秦腔の上演写真

 

秦腔と民俗文化

先にも述べましたが、秦腔は陝西地方(そして甘粛地方)などでとりわけ盛んな芸能です。ですから、この地方では、秦腔と民俗文化との結びつきは特に深いです。たとえば、農村では、葬式や廟会(廟や寺の縁日)などがあると、秦腔劇団を呼んで歌ってもらうことがよくあります。また、家を新築するときにも、縁起担ぎで秦腔を演じてもらうことがあります。つまり、秦腔は、農村などにおいて、宗教儀礼や冠婚葬祭(紅白喜事)などと密接にかかわっているのです。

他方、中国の春節(旧正月)のときは、秦腔の需要が一年でもっとも高まります。春節のこの期間は、俗に「戯曲黄金周(伝統演劇のゴールデンウィーク)」と呼ばれています。そして、多くの秦腔劇団が農村で巡回公演を行って、連日のように秦腔を上演します。人々にとって、年越しには観劇が欠かせないのです。秦腔の上演を生で見たり、あるいは、テレビで見たりしないと、新春を迎えた気がしない、という秦腔愛好家も多いのです。もし、観光化した秦腔ではなく、伝統的な秦腔をみたい場合は、春節期間に農村に行ってみるとよいでしょう。

ところで、各地の農村には、自楽班(ズーローバン)と呼ばれる集団が無数にあります。自楽班とは、秦腔を楽しむために、愛好家が自発的に形成する趣味のサークルです。そして、自楽班の愛好家たちは、暇さえあれば、胡弓や太鼓などをもって集まり、秦腔を歌ったり、楽器を演奏したりします。このような自楽班は、道端の適当な場所に陣取って、秦腔に興じることが多いです。天気の良い夏場などにその姿を外でよくみかけるので、自楽班は農村の夏の風物詩である、という者もいるくらいです。

以下では、秦腔の上演に関する写真(自楽班のものも含め)をお見せします。まだアップしていない写真も随分とありますので、このコーナーは今後さらに充実化させていきたいと思います。

 

 

秦腔の写真紹介

農村の移動式仮設舞台で秦腔を演じる役者たち

 

春節の舞台で活劇を熱演する若手の秦腔俳優

 

高度な足技を披露する劇団の看板役者

春節の舞台を見に来た大観衆

 

アンコールに応えて秦腔を歌う役者

 

西安市長安区で行われた春節時の秦腔大会

劇団の花形女優たちの熱演

秦腔の歌に聞き入る盲人

秦腔の武場(打楽器伴奏隊)のメンバーたち

 img1.gif

秦腔の歌と音楽を楽しむ自楽班の人々

 

舞台裏で小道具(槍)の操り方を稽古する役者たち

  COMING UP SOON

(準備中)

 

写真は西安宏蕾秦腔劇団により提供(自楽班の写真のみ管理人が撮影)。写真の無断転載を禁じます.

 

                                          このページのトップに戻る